初めて自社がエンジニア向けイベントのスポンサーになることに何を思うか
弊社ことエーテンラボは iOSDC 2021 のスポンサーをしています。
これが個人的に感慨深いのですが、どうして感慨深いのかを言語化するのが難しかったので、整理してみました。
私にとって、大規模なイベント、特にコミュニティドリブンで規模の大きなイベントの存在は転機であり、あるテーマに関心のある人々が一同に集まって知見と感覚を共有し合うあの空間はとても居心地が良く、自分がその空間の一部であることがとても好きです。
私が初めて500人とか1000人といった規模のイベントに参加したのは YAPC::Asia Tokyo 2015 です。開始早々から衝撃を受けました。「なぜ私は指輪物語の説明を聞いていて、なぜそれがこんなにも楽しいのだろう」と思ったことを今でも覚えています。なんだか特別な時間を過ごしているような気分で、内容は全く覚えていないのですが、なぜだか Perl6 がとても魅力的に感じました。1
どのセッションもLTもワクワクするものばかりで、この時間が永遠に続けばいいのにと心底思ったものです。ソフトウェアの技術を貪欲に学ぶようになったきっかけの一つで、この時の高揚感がなければ私は違うエンジニア人生を送っていたことでしょう。2
私にとってエンジニア向けのイベントは、研鑽を積む場であり交流の場であり一種の娯楽でもあり、あるいは帰るべき場所と言ってもいいような、そんな特別な感覚があります。
そのようなイベントに自社がスポンサーしているというのは、もちろん経営戦略上なの目的があるでしょうし、私もその目的に同意するものですが、それはそれとして、個人ではなく所属する組織が開発者コミュニティを支援しているということが、何とも形容しがたい気持ちにさせてくるのです。
社員3人目としてジョインしてから4年が経ち、ようやくスポンサーができるまで会社が成長したという達成感もあるし、自社がスポンサーになっているという誇らしさもありますが、それらが全てというわけでもなく...なんだか安心したような気分があるのです。
これはどういう感情なのか何日も考えて捻り出したのは、あの頃の自分のように、エンジニア観が変わるような体験が得られるかもしれない時間へ微力ながら支援できる組織に属することができて良かった、という表現です。
これが今のところ一番具体的で適当なんじゃないかと思います。
同じような状況になった先人の方はどのような気持ちになったのか聞いてみたいです。